発行日 2009年4月1日
Published Date 2009/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2009171904
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20歳女、低血糖を主訴とした。15歳時に1型糖尿病と診断され、インスリンが開始されたが、低血糖発作はインスリンの追加打ちが原因であり、追加打ちの中止とインスリンの変更にて消退した。また、19歳時に無月経にて受診した際、中枢性甲状腺機能低下症を指摘され、レボチロキシン補充にてFT4は正常化したが、無月経は続いており、エコーでは甲状腺の萎縮を認めた。下垂体MRIでは明らかな異常所見はなく、負荷試験ではTSHの基礎値低値と著明な低反応を認めるものの、他の下垂体前葉ホルモンの基礎値と反応は正常であったため、TSH単独欠損症と診断した。無月経に対してはプロゲステロン製剤投与にて消退出血を認め、視床下部性無月経と診断した。本症例は1型糖尿病とTSH単独分泌不全、視床下部性無月経を併発した稀な症例であった。
©Nankodo Co., Ltd., 2009