発行日 2009年3月1日
Published Date 2009/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2009138560
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64歳男。39℃に及ぶ発熱と全身倦怠で近医受診し、上気道炎と診断され抗生物質の内服加療を受けたが改善しないため当科紹介受診となった。両側頸部リンパ節で5mm弱のものを数個触知し、扁桃腺炎による発熱と考え抗生物質の点滴を行なったが解熱せず、下部消化管内視鏡で回腸末端部に発赤を伴う小隆起性病変の散在を認めた。生検より異型リンパ球の浸潤が粘膜筋板部から粘膜下層に拡大し、血管内皮腫大が著明な血管増生と淡明な細胞質をもつ大型の異型細胞を多数認め、免疫染色でCD3とUCHL1は陽性、CD20とCD79の陰性であった。以上より、血管免疫芽球性T細胞リンパ腫(AILT)stageIV、IPI 2と診断してCHOP療法を施行した。1コース終了後に解熱、全身倦怠感の改善、頸部リンパ節腫大の改善を認め、2コース終了後には回腸末端部の隆起病変は消失した。6コース施行して現在寛解を維持した。
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