特集 治療継続のためのプロブレムがみえる!みつかる!糖尿病
表層的な「#」から,深堀りプロブレムにアプローチ! #低血糖リスクが高い
新井 さやか
1
1千葉大学医学部附属病院 薬剤部
キーワード:
加齢
,
血糖降下剤
,
食行動
,
低血糖症
,
糖尿病
,
自己投与
,
歩行運動
,
めまい感
,
Glimepiride
,
Insulin Aspart
,
服薬指導
,
Insulin Degludec
,
運動量
Keyword:
Feeding Behavior
,
Self Administration
,
Aging
,
Walking
,
Hypoglycemia
,
Hypoglycemic Agents
,
Dizziness
,
Diabetes Mellitus
,
Insulin Aspart
,
Glimepiride
,
Insulin Degludec
pp.2877-2881
発行日 2022年11月5日
Published Date 2022/11/5
DOI https://doi.org/10.15104/J01461.2023028789
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<Key Points>(1)まず想起したい,よくある本当の原因(=深堀りプロブレム)は?・食事が不規則であり,食事量にむらがある.食事が摂れないときにもスルホニル尿素(SU)薬や超速効型インスリンを継続している.・空腹時に運動することがある.日によって運動量に差がある.・自己判断で薬の量やインスリンの単位を増やしている.・低血糖時の症状がなく対応が遅れる.または,適切に対応できない.・長年,同じ薬を使用しており,加齢による生理機能の低下や食生活の変化に伴い低血糖を起こしやすくなっている.(2)プロブレムを乗り越えて目指すべき理想の患者像・どのようなときに低血糖を起こしたか(そのときの行動,食事内容,血糖値)を記録し,次回受診時に医師に報告できる.・低血糖を予測して予防的な対応ができる.(3)プロブレムとうまく付き合いつつ最低限達成してほしい及第ライン・低血糖時に適切に対応できる.家族や周りの人に低血糖の症状と対処法について理解してもらう.・調節すべき薬,してはいけない薬を理解し,医師の指示どおりに薬を使用する.・無自覚性低血糖の場合は,ブドウ糖あるいはグルカゴンと,緊急連絡用カードを持ち歩き,一人では外出しないように心がける.・医療を提供する側は,定期的に患者の生理機能を確認し,生理機能に応じた処方内容とするように努める.
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