悪性リンパ腫診療update in 2008 最新のエビデンスに基づく診断と治療
悪性リンパ腫と闘う 治癒を目指すために必要な治療手段 悪性リンパ腫に対する自家造血幹細胞移植
山口 博樹
1
1日本医科大学 血液内科
キーワード:
Hodgkin病
,
自家移植
,
リンパ腫
,
リンパ腫-T細胞性
,
リンパ腫-濾胞性
,
リンパ腫-非Hodgkin
,
造血幹細胞移植
,
リンパ腫-マントル細胞
Keyword:
Hodgkin Disease
,
Lymphoma, Non-Hodgkin
,
Lymphoma, Follicular
,
Lymphoma
,
Transplantation, Autologous
,
Lymphoma, T-Cell
,
Hematopoietic Stem Cell Transplantation
,
Lymphoma, Mantle-Cell
pp.280-287
発行日 2008年8月1日
Published Date 2008/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2008287681
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Hodgkinリンパ腫においては、初回化学療法に難反応症例、もしくは初回化学療法にて寛解後の再発症例で、救援化学療法に反応がある症例は、大量化学療法+自家造血幹細胞移植(HDC+ASCT)の適応がある。濾胞性リンパ腫においては、再発進行期症例であっても、現時点でHDC+ASCTの適応があると断言はできない。ex vivoかin vivo purgingを行い、移植片よりリンパ腫細胞を除去することができれば、HDC+ASCTの有用性が認められている。急速進行性非Hodgkinリンパ腫においては、救援化学療法に感受性のある初回治療寛解後再発症例はHDC+ASCTの適応がある。60歳以下の初発高リスク症例にもHDC+ASCTの適応がある可能性があるが、現時点では明らかではない。マントル細胞リンパ腫においては、移植前化学療法によって移植片からリンパ腫細胞を除去することができれば、HDC+ASCTの有用性が認められる可能性がある。T細胞リンパ腫においては、現時点でHDC+ASCTによって予後の改善が得られる可能性がある疾患は、再発anaplastic lymphomakinase(ALK)陽性未分化大細胞型リンパ腫と血管免疫芽球性T細胞リンパ腫であり、分類不能型末梢性T細胞リンパ腫に対しての有用性は明らかではない。
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