脳血管障害最前線 Time is brainの時代を迎えて
トピックス 脳虚血とt-PAの薬理
梅村 和夫
1
1浜松医科大学 薬理学
キーワード:
Heparin
,
アミノ酸配列
,
神経毒
,
線維素溶解
,
ニューロン
,
脳虚血
,
脳虚血-一過性
,
脳梗塞
,
脳出血
,
Matrix Metalloproteinase 3
,
Tissue Plasminogen Activator
,
Matrix Metalloproteinase 9
,
遅発性神経細胞死
Keyword:
Amino Acid Sequence
,
Brain Ischemia
,
Ischemic Attack, Transient
,
Fibrinolysis
,
Heparin
,
Neurons
,
Neurotoxins
,
Tissue Plasminogen Activator
,
Matrix Metalloproteinase 3
,
Matrix Metalloproteinase 9
,
Brain Infarction
,
Intracranial Hemorrhages
pp.943-948
発行日 2008年5月1日
Published Date 2008/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2008196541
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プラスミノーゲンアクチベータであるtissue-type plasminogen activator(t-PA)は、プラスミノーゲンをプラスミンに変換し血栓を溶解する。t-PAは神経細胞を刺激し、神経細胞死を助長することが報告されている。脳虚血時には内因性t-PAが、ある条件では血栓を溶解し脳保護的に働くが、別の条件では神経細胞死を助長して増悪する可能性がある。heparinによる脳出血には、内因性t-PAとMMP-9の関与が示された。t-PA投与による脳出血は、MMP-3の関与が示唆された。t-PAやheparinによる脳出血は、それぞれの薬物の抗血栓作用および血栓溶解作用と異なる薬理作用により起きている可能性があるので、それら薬物による脳出血を予防し、治療効果を向上できる可能性を示すものである。
©Nankodo Co., Ltd., 2008