発行日 2006年3月1日
Published Date 2006/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2006131514
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
近年,わが国の脳卒中死亡率は低下しているが,脳梗塞の有病率は増加を示しており,脳卒中は今なお日本人の国民病といって過言ではない.脳卒中は脳出血と脳梗塞に大別され,脳梗塞はアテローム血栓性脳梗塞,心原性脳塞栓,ラクナ梗塞にわけられる.脳梗塞急性期治療の基本的骨格は, 1)脳卒中診療システム整備とチーム医療, 2)脳虚血の早期解除, 3)虚血障害進展の抑制, 4)再発予防である.さらに脳梗塞に関わる多くの治療薬が存在する医療現場において,適切な治療法と治療薬を選択することが要求されている.2004年2月に5学会合同の脳卒中治療ガイドラインが発表され,エビデンスに基づく治療法を適切に選択することが重要となっている.脳虚血早期解除の治療法では,2005年10月に組織プラスミノーゲンアクチベーター(rt-PA)であるalteplaseの静脈内投与による血栓溶解療法が認可されている.脳虚血の進展抑制には,フリーラジカル消去作用を有するedaravoneが脳保護薬として使用され,再発予防には抗血小板療法と抗凝固療法がある.急速に変貌する脳卒中医療において,ガイドラインをふまえ臨床病型に則した治療法の選択が重要である
©Nankodo Co., Ltd., 2006