発行日 2008年4月1日
Published Date 2008/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2008178589
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症例は66歳男性で、頭痛、感音性難聴を主訴に、当院耳鼻咽喉科にて経過観察となったが、左耳がまったく聞こえない状態となり、prednisoloneの5日間静注を開始されるも聴力はわずかに改善するのみで、当科紹介入院となった。入院時、血液検査、髄液検査で強い炎症反応を認め、経過中に右末梢性顔面神経麻痺が出現した。prednisoloneの増量、cyclophosphamideの内服を開始したところ、顔面神経麻痺は徐々に軽快した。その後、右耳人工内耳埋込術を施行され、術後の血液検査にてMPO-ANCA陽性が確認された。頭痛の増悪に対し、cyclophosphamideの増量を行ったところ、頭痛は軽快した。以上より、ANCA関連血管炎の存在を疑い、再検討したが、難聴と頭痛を認める以外に異常はみられず、4年が経過している。
©Nankodo Co., Ltd., 2008