発行日 2004年3月1日
Published Date 2004/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2004159548
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18歳女.主訴は味覚障害,顔面の違和感物がみえにくい.視力は右0.5,左0.2で,視野異常と左下肢の感覚障害,筋力低下を認め,頭部MRIで右大脳白質に異常陰影を認め,多発性硬化症(MS)と診断され,ステロイドなどの投与により症状の改善傾向はみられていた.しかし,再び両側の視力障害が増悪し当科を受診した.検査所見では頭部MRIにて橋中部の右側皮蓋部に病変を認めた.ステロイドパルス療法を行い,その後,経口prednisoloneの漸減投与を行った.治療開始後1週目ごろから症状の改善傾向がみられはじめ,味覚障害は入院4週後には完全に改善し,軽度の感音性難聴が残るのみとなった.入院8週後には難聴も消失した.また,頭部MRIでは,橋中部の病変は消失していた
©Nankodo Co., Ltd., 2004