膠原病診療のブレークスルー 早期診断・早期治療のポイント
早期診断・早期治療のこつと治療のアルゴリズム ANCA関連血管炎
有村 義宏
1
1杏林大学 第一内科
キーワード:
Steroids
,
抗炎症剤
,
糸球体腎炎
,
鑑別診断
,
アルゴリズム
,
抗好中球細胞質抗体
,
肺炎-間質性
,
早期診断
,
血管炎-抗好中球細胞質抗体関連
Keyword:
Algorithms
,
Anti-Inflammatory Agents
,
Diagnosis, Differential
,
Glomerulonephritis
,
Steroids
,
Lung Diseases, Interstitial
,
Antibodies, Antineutrophil Cytoplasmic
,
Early Diagnosis
,
Anti-Neutrophil Cytoplasmic Antibody-Associated Vasculitis
pp.641-647
発行日 2008年4月1日
Published Date 2008/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2008167384
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ANCA関連血管炎は多臓器に血管炎を生じ、診断・治療が遅れると多臓器不全をきたす予後不良の疾患である。血管炎による各臓器障害の早期所見を見逃さないことが大切である。皮膚では軽度の紫斑や結節性紅斑の反復、末梢神経では下肢の知覚障害が早期所見である。眼では結膜の充血や眼部痛、上気道では前頭部痛や鼻部痛、肺では血痰や間質性肺炎所見、腎では蛋白尿、顕微鏡的血尿が早期所見である。全身を診察するとともに、病歴を詳細に聴取し、上記の所見が認められた場合にはANCA関連血管炎の可能性を念頭に置く。MPO-ANCA関連血管炎は高齢者に多いため、とくに高齢者に上記症状が出現した場合には、ANCA測定は必須である。
©Nankodo Co., Ltd., 2008