膠原病診療のブレークスルー 早期診断・早期治療のポイント
特殊な状況への配慮 SLEおよびRAにおける妊娠 妊婦と胎児に及ぼす影響は
阿部 香織
1
1かおり内科クリニック
キーワード:
Steroids
,
関節リウマチ
,
抗炎症剤
,
エリテマトーデス-全身性
,
胎児疾患
,
妊娠合併症
,
抗リン脂質抗体症候群
,
SS-A抗体
Keyword:
Arthritis, Rheumatoid
,
Anti-Inflammatory Agents
,
Fetal Diseases
,
Lupus Erythematosus, Systemic
,
Pregnancy Complications
,
Steroids
,
Antiphospholipid Syndrome
,
SS-A Antibodies
pp.673-677
発行日 2008年4月1日
Published Date 2008/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2008167390
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基礎疾患を有する妊娠の母体管理を考えるとき、基礎疾患を管理する医師が妊娠のリスクを把握し、十分な管理を行うことが重要である。全身性エリテマトーデス(SLE)は妊娠中増悪することが多く、関節リウマチ(RA)は軽快することが多い。SLEの妊娠予後を左右する要因として、臓器障害、疾患活動性、抗リン脂質抗体症候群がある。抗SS-A抗体陽性は、胎盤を通して児に移行し、新生児ループスを起こすことがある。妊娠・授乳中の薬物療法に関しては、十分なエビデンスのないことが多く、常にリスクとベネフィットを天秤にかけて、インフォームドコンセントを行う必要がある。RAの妊娠を計画するとき、出産後の増悪や育児のことを考えて計画を立てる必要がある。
©Nankodo Co., Ltd., 2008