寛解を目指す膠原病診療 特殊な状況と合併症への対応
妊娠希望患者・妊婦・授乳婦への対応
村島 温子
1
1国立成育医療研究センター 母性医療診療部
キーワード:
降圧剤
,
抗凝固剤
,
エリテマトーデス-全身性
,
妊娠管理
,
妊娠合併症
,
副腎皮質ホルモン
,
免疫抑制剤
,
抗リン脂質抗体症候群
,
授乳
,
SS-A抗体
Keyword:
Adrenal Cortex Hormones
,
Antihypertensive Agents
,
Anticoagulants
,
Immunosuppressive Agents
,
Lupus Erythematosus, Systemic
,
Pregnancy Complications
,
Prenatal Care
,
Antiphospholipid Syndrome
,
SS-A Antibodies
pp.77-80
発行日 2013年7月1日
Published Date 2013/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2013227266
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全身性エリテマトーデス(SLE)は妊娠を契機に再燃する可能性がある.SLE患者に妊娠を認容する条件は,(1)ステロイド維持量で活動性が抑えられている,(2)重大な臓器合併症がない,(3)妊娠転帰が不良となる可能性があることを患者ならびに家族が理解し受け入れができている,の3点である.抗リン脂質抗体,抗SS-A抗体が陽性の場合にはとくに注意が必要である.妊娠中の薬剤使用については催奇形性ばかりでなく胎児毒性も重要である.妊娠中の薬剤の安全性については動物実験結果でなく,疫学研究による判断が望ましい.授乳中に薬剤を使用する場合の母乳栄養との両立については母乳栄養のメリットを考慮したうえで判断をする.
©Nankodo Co., Ltd., 2013