膠原病診療のブレークスルー 早期診断・早期治療のポイント
早期診断・早期治療のこつと治療のアルゴリズム 全身性強皮症
川口 鎮司
1
1東京女子医科大学附属膠原病リウマチ・痛風センター
キーワード:
胃食道逆流
,
強皮症-全身性
,
抗核抗体
,
拘縮
,
心臓血管疾患
,
肺高血圧症
,
アルゴリズム
,
肺炎-間質性
,
早期診断
Keyword:
Algorithms
,
Antibodies, Antinuclear
,
Cardiovascular Diseases
,
Contracture
,
Hypertension, Pulmonary
,
Gastroesophageal Reflux
,
Scleroderma, Systemic
,
Lung Diseases, Interstitial
,
Early Diagnosis
pp.648-653
発行日 2008年4月1日
Published Date 2008/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2008167385
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本稿で論じる全身性強皮症は、英文でのsystemic sclerosisあるいは、systemic sclerodermaを意味する。英文でも2種類の単語が今でも統一されずに用いられているように、日本語でも、全身性強皮症と全身性硬化症の2種類が用いられている。近年は、全身性を省略して、「強皮症」という用語が汎用されている。ここで問題となるのは、localized sclerodermaという疾患の存在である。内臓病変の合併がなく、部分的に皮膚硬化を起こす疾患であり、治療法や生命予後は異なる。日本語表記では、「限局性強皮症」となる。混乱のないように、また、英文の「systemic」の意味も含め、やはり、全身性強皮症と記載するほうがよいと考える。全身性強皮症の分類基準は、1980年の米国リウマチ協会の分類基準案が用いられている。治療法としては、病型により治療が必要かどうかをよく検討し、それぞれの病態にあわせて治療を選択している。今後、根本的な治療法の開発が待たれる。
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