発行日 2008年3月1日
Published Date 2008/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2008149330
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
67歳女。歩行障害を主訴とした。両側手指伸側に紅斑を認め、運動系では四肢近位筋優位の筋力低下と軽度筋萎縮を認めた。血液生化学では筋原性酵素の上昇を認め、左大腿直筋筋生検の病理組織では間質への炎症細胞の浸潤と筋線維の大小不同・少数の壊死・再生線維を認めた。皮膚筋炎の診断でプレドニゾロン60mg治療を開始しステロイドパルス療法も併用したが、効果は一時的であったためタクロリムス3mgの追加投与を行いプレドニゾロンの漸減を開始した。治療開始3ヵ月後には血清筋原性酵素が正常範囲となり、6ヵ月までに手指紅斑の消失および筋力の回復を認めた。治療開始1年後にプレドニゾロン10mg、タクロリムス2mgまで漸減したが、皮膚筋炎の寛解は維持された。
©Nankodo Co., Ltd., 2008