発行日 2008年3月1日
Published Date 2008/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2008149331
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24歳男。淡水溺水後30分で歩行可能となったが、帰宅後に両側廃部痛・全身倦怠感・食欲不振が出現した。3日後の尿検査で蛋白・潜血ともに高度に認め、血液生化学では血中尿素窒素55.6mg/dl、クレアチニン(Cr)11.86mg/dlと高度上昇し、血清尿酸(UA)9.1mg/dl、リン7.7mg/dlも高値であったが、クレアチンキナーゼは364U/lと軽度高値であった。補液と利尿薬により尿量の確保は容易であったため非乏尿性腎性腎不全と考えられ、背部痛は徐々に消失した。溺水後9日目にCr15.16mg/dlとなったが尿毒症症状はごく軽度であり、溺水後24日目に退院した。退院時検査でUA0.9mg/dlと低値で、尿中尿酸排泄率が59.7%と異常高値であり、退院半年後のUAも0.6mg/dlと異常低値であったことから、特発性低尿酸血症に合併した運動後急性腎不全と診断した。
©Nankodo Co., Ltd., 2008