脳血管障害最前線 Time is brainの時代を迎えて
危険因子の管理 脳血管障害ハイリスク群の管理
佐藤 祥一郎
1
,
豊田 一則
1国立循環器病センター 内科脳血管部門
キーワード:
Aspirin
,
危険因子
,
降圧剤
,
高血圧
,
MRI
,
超音波診断
,
動脈硬化症
,
脳梗塞
,
頸動脈狭窄
,
脳卒中
,
白質希薄化
,
無症候性疾患
Keyword:
Antihypertensive Agents
,
Aspirin
,
Arteriosclerosis
,
Hypertension
,
Magnetic Resonance Imaging
,
Risk Factors
,
Ultrasonography
,
Carotid Stenosis
,
Brain Infarction
,
Stroke
,
Leukoaraiosis
,
Asymptomatic Diseases
pp.922-927
発行日 2008年5月1日
Published Date 2008/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2008196537
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無症候性頸動脈狭窄、無症候性脳梗塞、大脳白質病変、microbleedsなどを有する脳卒中ハイリスク群に対して適切な介入を行うことで、将来の脳卒中発症を予防できる可能性がある。無症候性頸動脈狭窄例では、冠動脈、下肢動脈などを含めた全身の動脈硬化の評価が必要である。動脈硬化リスク因子の管理とaspirinの投与が推奨される。高度狭窄例では血行再建術の適応を慎重に検討する。無症候性脳梗塞は、その多くがラクナ梗塞であり、脳出血発症のリスクも高いため、高血圧の管理が重要である。画一的な抗血小板薬投与は行うべきではない。大脳白質病変とmicrobleedsは共存する場合も多く、共通の病理学的背景として細動脈硬化が考えられているため、積極的な降圧療法が必要である。
©Nankodo Co., Ltd., 2008