分子標的療法時代の白血病治療 絨毯爆撃から狙い撃ちへ
トピックス 白血病の化学療法耐性化機構とその対策
矢ヶ崎 史治
1
1埼玉医大国際医療センター 造血器腫瘍科
キーワード:
腫瘍幹細胞
,
腫瘍抑制タンパク質p53
,
変異
,
白血病-急性骨髄性
,
白血病-BCR-ABL陽性慢性骨髄性
,
薬物抵抗性
,
c-bcl-2癌原遺伝子タンパク質
,
MDR遺伝子
,
P-Glycoprotein
,
アポトーシス
,
細胞死
,
Imatinib
,
fms-Like Tyrosine Kinase 3
Keyword:
Imatinib Mesylate
,
Drug Resistance
,
Mutation
,
Leukemia, Myeloid, Acute
,
Neoplastic Stem Cells
,
Tumor Suppressor Protein p53
,
Leukemia, Myelogenous, Chronic, BCR-ABL Positive
,
Cell Death
,
Apoptosis
,
Genes, MDR
,
Proto-Oncogene Proteins c-bcl-2
,
ATP-Binding Cassette, Sub-Family B, Member 1
,
fms-Like Tyrosine Kinase 3
pp.323-329
発行日 2007年8月1日
Published Date 2007/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2008003468
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急性骨髄性白血病(AML)は、治療の強化により寛解率が70~80%となったが、依然、寛解導入療法に対する抵抗例は15%程度に存在し、寛解後も約半数が再発する。寛解率に対する予後不良因子としては年齢および染色体異常が、再発率に影響を与える因子としてはFLT3やc-KITなどのチロシンキナーゼ受容体の変異などがあげられる。しかしながら、実際に、これらの因子が抗癌薬耐性にどのような機序で影響を与えているか、不明な点は多い。また抗癌薬の細胞外排泄に関わるP糖蛋白の発現も、広域な抗癌薬に耐性を示すことから重要な問題である。本稿では、これらの抗癌薬耐性機構について概説し、耐性克服の可能性について述べる。
©Nankodo Co., Ltd., 2007