分子標的療法時代の白血病治療 絨毯爆撃から狙い撃ちへ
白血病の診断方法 FAB分類とWHO分類 WHO分類は診療を改善するか?
鈴木 律朗
1
1名古屋大学 造血細胞移植情報管理学
キーワード:
骨髄異形成症候群
,
鑑別診断
,
転座
,
白血病
,
白血病-急性骨髄性
,
分類
,
世界保健機関
,
白血病リンパ腫-前駆細胞リンパ芽球性
,
FAB分類
Keyword:
Diagnosis, Differential
,
Classification
,
Leukemia
,
Myelodysplastic Syndromes
,
World Health Organization
,
Leukemia, Myeloid, Acute
,
Translocation, Genetic
,
Precursor Cell Lymphoblastic Leukemia-Lymphoma
pp.234-241
発行日 2007年8月1日
Published Date 2007/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2008003452
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白血病・骨髄異形成症候群(MDS)の診療は、新病型分類である新WHO(World Health Organization)分類の時代を迎え、さまざまな影響が出ている。新WHO分類はそれはそれでリーズナブルな部分もあるが、FAB(French-American-British)分類とは分類の発想が異なり、「簡便さ」の点では劣るものである。FAB分類時代のM2とかM4という呼称が消えないのは、それを象徴している。またMDSでは同じ疾患の呼称がFAB分類と新WHO分類で異なる病型もあり、混乱は生じてはいないものの、誤解を招くものである。しかしながら、新WHO分類では新しい病型がむやみに含まれるかというとそうでもなく、実は既存の病型を整理統合しなおしたものにすぎない。遺伝子/染色体異常が分類に含まれることも、これまでの知見を踏まえた臨床応用であり、今後避けられない流れの一つである。疾患分類は「表」から「本」への時代を迎え、多くの背景知識を要するのが新WHO分類であるが、各病型に対する理解を深めることが要求されている。
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