発行日 2007年10月1日
Published Date 2007/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2007346169
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76歳男。慢性閉塞性肺疾患で通院中、意識消失、痙攣しているところを発見された。右半身優位の全身性痙攣が持続し呼吸状態も不安定のため救急搬送された。意識レベルはJCSでII-30、瞳孔は左右同大、対光反射は両側緩慢であった。右共同偏視と右中枢性顔面神経麻痺を認めた。痛み刺激に対する逃避反応は右上下肢で低下し、Todd麻痺が疑われた。四肢腱反射は右側優位で亢進し足底反射は中間位であった。髄膜刺激徴候はみられなかった。頭部MRIで拡散強調画像に明らかな高信号はみられずT2強調画像では前頭葉優位な脳萎縮と両側大脳基底核・視床に陳旧性梗塞を認め、周期性一側、癲癇形放電(PLEDs)と診断し、痙攣再発予防のためフェニトイン静注、意識改善後、内服を継続した。翌日、意識レベルはII-10となり、第5病日には入院前の状態まで改善し、右不全片麻痺も数日の経過で回復した。
©Nankodo Co., Ltd., 2007