慢性腎臓病 CKDキャンペーンをめぐる話題
CKD対策の一環として わが国の透析医療とCKDキャンペーン
秋葉 隆
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1東京女子医科大学附属腎臓病総合医療センター 血液浄化療法科
キーワード:
Angiotensin-Converting Enzyme Inhibitors
,
血液透析
,
心臓血管疾患
,
腎不全-慢性
,
糖尿病性腎症
,
Angiotensin II Type 1 Receptor Blockers
Keyword:
Cardiovascular Diseases
,
Angiotensin-Converting Enzyme Inhibitors
,
Diabetic Nephropathies
,
Renal Dialysis
,
Kidney Failure, Chronic
,
Angiotensin II Type 1 Receptor Blockers
pp.117-119
発行日 2007年7月1日
Published Date 2007/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2007246399
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「腎機能障害が心血管死亡のリスクである」という循環器領域からの指摘を受け、腎臓医も、腎疾患の進行阻止により腎死の予防をするだけでなく、心血管合併症の予防に心がけ、慢性腎臓病(CKD)患者の生命予後の改善を図らなければならない。糖尿病性腎症の進展阻止の方法として、「厳密な血糖コントロール」は困難であり、アンジオテンシン変換酵素阻害薬(ACEI)、アンジオテンシンII受容体拮抗薬(ARB)の投与が選択される。CKDキャンペーンにより、(1)潜在腎不全患者の拾い上げ、(2)合併症死亡の減少による透析導入される患者の増加、(3)保存期合併症予防による透析導入後の予後改善などが起き、透析患者数の増加か、または減少かのいずれが観察されるかについては、疑問が残る。いずれにせよ、CKDへの治療介入を増加させることは、患者と医療者にとって望ましいことである。
©Nankodo Co., Ltd., 2007