心不全予防 その最前線を探る
慢性心不全の現状 わが国の心不全治療到達点とは?
猪又 孝元
1
1北里大学 医学部循環器内科学
キーワード:
心不全
,
包括医療
,
EBM
,
診療ガイドライン
,
老年病
Keyword:
Comprehensive Health Care
,
Heart Failure
,
Practice Guidelines as Topic
,
Evidence-Based Medicine
pp.387-391
発行日 2007年3月1日
Published Date 2007/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2007177241
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
新たなガイドラインでは、心不全を重症度や症候から分類するのではなく、心不全という進行性の病態をステージという病期に分けて論じている。予防にシフトした心不全管理システムの構築が、急速に求められている。慢性心不全治療のわが国での最大の問題点は、日本人を対象とした信頼できるエビデンスが皆無に近いことである。本格的な長寿社会を迎えたわが国では心不全の多くは加齢を基盤とするため、単一臓器別の根治療法を主軸とする医療戦略には限界があり、多疾患有病者に対する集約的・集学的医療が求められる。
©Nankodo Co., Ltd., 2007