インフルエンザ診療の新展開 パンデミックを視野に入れた戦略
診療の実際 現場で遭遇する諸問題 抗菌薬をどう使うか
真崎 宏則
1
1保善会田上病院 内科
キーワード:
インフルエンザ-ヒト
,
気道感染
,
抗感染剤
,
細菌感染症
Keyword:
Anti-Infective Agents
,
Bacterial Infections
,
Influenza, Human
,
Respiratory Tract Infections
pp.825-830
発行日 2006年11月1日
Published Date 2006/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2007076261
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インフルエンザ診療において、インフルエンザによる上気道および下気道感染症が、基礎疾患のない健常成人でみられた場合、呼吸器系への細菌感染を疑わせる明らかな症状や所見がなければ、抗菌薬は原則として投与せず、ポビドンヨード(イソジン)含嗽による上気道クリーニングと対症療法を行う。インフルエンザ患者で、細菌の二次感染がある場合や重症例では、抗菌薬を投与する。抗菌薬の選択については、二次感染しやすい病原細菌として、肺炎球菌、インフルエンザ菌、黄色ブドウ球菌が重要であり、これらの細菌に加えて、慢性呼吸器感染症患者では、Moraxella catarrhalis、緑膿菌、Klebsiellaなども抗菌域に含む抗菌薬の選択が推奨される。
©Nankodo Co., Ltd., 2006