発行日 2006年10月1日
Published Date 2006/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2007018859
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19歳女。感冒症状を認め内服薬処方で軽快したが、高熱、全身倦怠感、呼吸苦の出現と著明な貧血、黄疸を認め精査加療目的で入院した。直接Coombs試験は陰性であったが自己免疫性溶血性貧血(AIHA)を疑い、赤血球結合IgG量測定で赤血球1個当たり154分子のIgGが検出された。A型インフルエンザ(H3N2)抗体価の有意な上昇を認め、入院時の発熱等の症状はインフルエンザによるものと思われた。oseltamivir投与後感染症状は5日程度で消失したが、貧血に対しては赤血球輸血(計8単位)を施行するも一過性の改善のみであった。Coombs陰性AIHAと診断しプレドニソロンの投与開始した。貧血は速やかに改善し、3週間後ヘモグロビンは10g/dl台まで回復し、投与1ヵ月以降は2週間に10mgの割合で漸減し中止とした。現在まで溶血の再燃は認めていない。
©Nankodo Co., Ltd., 2006