発行日 2006年10月1日
Published Date 2006/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2007018860
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57歳女。10年程前に巨大下垂体腺腫(macroadenoma)で2回Hardy手術を受けたが腫瘍径は縮小せず、4年後Cushing病と診断され軽度の下垂体前葉機能低下を認め、開頭腫瘍摘出術、放射線療法施行後高Na血症となり、部分型尿崩症と視床下部障害による口渇中枢障害の合併症と診断された。今回、感冒を契機に意識レベル低下で入院し、高血糖高浸透圧昏睡、横紋筋融解症、急性腎不全、播種性血管内凝固症候群(DIC)と診断された。脱水は生食の補液、高血糖には速効型インスリンの持続静注で血糖・血清Na値・血漿浸透圧とも徐々に低下し、第3病日には意識レベルは改善した。第7病日よりインスリン不要となったが血清Na値は輸液では正常値に至らず、第13病日よりddAVPの点鼻で正常化し、横紋筋融解症は輸液継続で第15病日に正常化した。急性腎不全は脱水・横紋筋融解症の改善に伴い徐々に回復し腎機能は正常化、DICはフサン投与、血小板輸血で回復した。
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