発行日 2005年11月1日
Published Date 2005/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2006040994
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51歳男.ベッドから落ちて意識障害を呈しているところを発見された.血液検査では糖尿病性ケトアシドーシス,脱水,腎不全,電解質異常,高アミラーゼ血症,炎症所見を認めた.持続インスリン療法,大量輸液により循環不全,血液検査上の腎不全,電解質異常は改善した.来院時,発症歴不明な網膜色素変性症,小人症状(150cm,40kg),性器未発達を認めたこと,知能,指は正常であったこと,成人後は肥満となったものの,来院時は糖尿病による体重減少で標準体重であったことなどから,Alstroem症候群の疑いで精査を行った.その結果,軽度感音性難聴,網膜色素変性,糖尿病,性器発達不全,性ホルモン低下,ソマトメジンC低下,軽度下垂体機能不全,高遊離脂肪酸血症,膵炎がみられた.本症例は,海外で報告されているAlstroem症候群特有の症状(網膜色素変性,感音性聴力障害など)が小児期から軽度であり,これは人種の違いによるものと考えられ,症状の出現状況を明らかにすることが本邦における本疾患解明のために必要であると思われた
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