発行日 2004年12月1日
Published Date 2004/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2005080085
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重症市中発症の肺炎に限定し,発症に至った原因を探究するため後方視的に検討した.対象は過去6年間に入院した男性20例,女性10例で,10例が喫煙者であった.93%が基礎疾患を有していた.搬入前ADLが正常でない例が47%を占め,60~80%で栄養状態を示す指標が低下しており,免疫力の低下もあったと推測された.搬入時に80%が呼吸困難であった.65歳以上は16例で,8例が死亡した.65歳以下の死亡は2例であった.検出細菌として,MRSAの占める割合が16%と高かった.検出細菌は搬入後72時間以内に採取され検出されたもので,起因菌と同定されたのは51株中16株で,検出細菌のうち31%であった.血清学的検査ではマイコプラズマ肺炎を1例にのみ認めた.ステロイドパルス療法は重症肺炎に気管支喘息発作を合併した2症例と,経過中に胸部CT上間質性陰影を認め,抗生物質・免疫グロブリン製剤投与でも効果を認めなかった5症例に行った.前者は効果を認めたが,後者は効果は一時的で,全例死亡した
©Nankodo Co., Ltd., 2004