発行日 2005年5月1日
Published Date 2005/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2005138902
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特発性正常圧水頭症は原因となる明らかな疾患がなく,脳室拡大に伴い,歩行障害を主体として痴呆,尿失禁をきたす病態をいう.髄液シャント術により症状の改善が得られる.明らかなイベントに続発する二次性正常圧水頭症と異なり,診断は必ずしも容易ではない.また特発性は,二次性とは異なるものとして区別されるべき特異な病態である.過去における無批判なシャント適応の拡大の結果として,治療者の否定的な態度をもたらしてしまったという経緯がある.本稿では特発性正常圧水頭症に関して今一度概念的に整理し,新たに提唱された診断基準にふれ,さらに発生機序に関する仮説について言及する
©Nankodo Co., Ltd., 2005