発行日 2002年8月1日
Published Date 2002/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2002260629
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54歳男.腰痛,発熱,四肢の紫斑を主訴とした.血小板減少,凝固系の延長を認め,肝機能障害,CRP高値を示し,播種性血管内凝固症候群(DIC)と診断した.CEA高値から腺癌の骨転移,肝転移を疑い検索したが原発巣不明であった.67Gaシンチグラムで陰部集積を認めたことから再診察を行い,陰嚢下面に径15mm大の不整な糜爛状局面を伴う結節性病変を認めた.病理学的に乳房外Paget病(eP)の骨転移と診断したが,全身状態,DICの悪化により治療できず第56病日に死亡した.本例は急速進行型ePの典型例であるが,高CEA血症を示す原発不明腺癌の鑑別疾患として考慮する必要がある
©Nankodo Co., Ltd., 2002