発行日 2002年8月1日
Published Date 2002/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2002282292
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15歳女.意識消失発作を主訴とした.約10分間の意識消失と回復後の両下肢の痙性発作を繰返した.一般理学所見,脳神経系・協調運動系に異常はなかったが,痙性対麻痺を認め,Babinski反射陽性であった.頭部MRIで頭頂部硬膜と小脳テントの肥厚を認めたが,脊髄MRIでは硬膜の肥厚や横断性病変を認めず,2回の脳波検査でも異常波を捉えられなかった.関節炎や心肺症状はないが,RAPAが陽性で,他の炎症性疾患の原因を除外し得たことからリウマチ性肥厚性硬膜炎と診断し,副腎皮質ホルモンを投与した.発作は消失し,硬膜肥厚の軽減を認めた.頭頂部硬膜の肥厚が一過性の痙性対麻痺の原因と考えられた
©Nankodo Co., Ltd., 2002