足関節・足部疾患の最新治療
疾患各論 足部の変形・障害 外反母趾 外反母趾に対する第1中足骨近位回外骨切り術
安田 稔人
1
,
嶋 洋明
,
守 克則
,
木澤 桃子
,
根尾 昌志
1大阪医科大学 整形外科
キーワード:
X線診断
,
ギプス包帯
,
骨切り術
,
骨板
,
骨ワイヤー
,
術後管理
,
中足骨
,
外反母趾
,
重症度指標
,
治療成績
Keyword:
Bone Wires
,
Casts, Surgical
,
Bone Plates
,
Hallux Valgus
,
Metatarsal Bones
,
Osteotomy
,
Radiography
,
Postoperative Care
,
Severity of Illness Index
,
Treatment Outcome
pp.56-60
発行日 2016年4月10日
Published Date 2016/4/10
DOI https://doi.org/10.15106/J04037.2016297866
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外反母趾に対して第1中足骨近位回外骨切り術を行った121例146足を対象に、骨切り部の内固定別でKirschner鋼線を用いた66例83足(K群)とロッキングプレートを用いた55例63足(P群)に分け、その治療成績を比較検討した。平均経過観察期間(K群:34ヵ月、P群:17ヵ月)の結果、1)JSSFスケールはK群で術前58点が術後94点に、P群では術前63点が術後94点に改善していた。2)内側種子骨は両群とも術前は全例でHardy分類grade V以上であったが、術後はK群が59%で、P群が78%でHardy分類grade I~IVに改善していた。3)K群では術前はround徴候陽性例が83%、術後は陰性例が80%、P群では術前はround徴候陽性例84%、術後は陰性例が89%であった。4)inclination angleはK群では術前16°が術後14°に減少し、5°以上の減少が23%であった。P群では術前15°が術後14°に減少し、5°以上の減少が10%であった。5)外反母趾の再発はK群が4%、P群が3%で認められた。6)K群と比べP群では内側種子骨の正常化が有意に得られ、骨切り部の伸展変形が有意に少なかった。以上、ロッキングプレートは骨切り部の内固定として有用であることが示唆された。
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