今日の問題点
鼻腔および皮膚常在菌と脊椎手術部位感染の起因菌の関係
金沢 明秀
1
,
山崎 隆志
,
村上 元昭
1武蔵野赤十字病院 整形外科
キーワード:
Staphylococcus epidermidis
,
細菌
,
手術創感染
,
脊椎固定術
,
脊椎疾患
,
鼻腔
,
皮膚
,
細菌培養
,
メチシリン耐性黄色ブドウ球菌
Keyword:
Bacteria
,
Nasal Cavity
,
Spinal Diseases
,
Spinal Fusion
,
Surgical Wound Infection
,
Staphylococcus epidermidis
,
Skin
,
Methicillin-Resistant Staphylococcus aureus
pp.447-449
発行日 2014年5月1日
Published Date 2014/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2014255390
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脊椎手術における鼻腔および皮膚常在菌と深部手術部位感染(SSI)の関連性について検討した。対象は、5年間に行った胸腰椎インストゥルメンテーション手術397例のうち、術前に鼻腔の細菌培養検査を行った280例と手術部位皮膚の細菌培養検査を行った252例とした。約2週間前から手術日までの間に検査を行い、検査結果とSSIが発生した場合にその起因菌と菌種が一致するかを調査した。その結果、術前の鼻腔および皮膚から検出された菌は、ともに表皮ブドウ球菌が最も多かった。MRSAは16例の鼻腔から検出されたが、皮膚からは検出されなかった。調査期間中、脊椎インストゥルメンテーション手術397例中4例で深部SSIが発生した。その起因菌はMRSA 2例、MRSE 1例、Enterobacter cloacae 1例であったが、SSIの起因菌と術前の鼻腔および皮膚から検出された菌が一致した症例はなかった。また、SSIの起因菌は多剤耐性菌が多い反面、術前の皮膚からはMRSAは検出されず、皮膚常在菌とSSI起因菌に関連はなかった。
©Nankodo Co., Ltd., 2014