発行日 2013年2月1日
Published Date 2013/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2013151503
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71歳女。10年前に右変形性膝関節症で高位脛骨骨切り術(HTO)の既往があった。今回、誘引なく右下腿の腫脹と疼痛が出現し、単純X線でHTOの腓骨骨切り部に一致して、菲薄化し膨隆した皮質、内部に一部石灰化を伴う腫瘍陰影を認め、腓骨両断端は圧迫されていた。MRIのT1強調像では周辺に低信号の被膜を伴い周囲の筋とほぼ等信号の、T2強調像では低信号と高信号が混在する約6cm大の腫瘤を認めた。切開生検で骨腫瘍は否定的であったが、悪性腫瘍を完全否定できず、腫瘍広範切除術を行った。脛骨の外側縁より前脛骨筋を展開し、深腓骨神経と前脛骨動脈の奥に硬い腫瘤を認め、腫瘤の近位、遠位各々より約1cm部分で腓骨を骨切りして切除を行った。病理診断はchronic expanding hematomaであった。術後1ヵ月に軽快退院し、以後外来で経過観察中であるが、再発は認めていない。
©Nankodo Co., Ltd., 2013