発行日 2011年9月1日
Published Date 2011/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2012061433
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95歳女。右大腿部近位外側に腫瘤が出現し、徐々に増大した。右大腿骨大転子部皮下に7cm大の腫瘤を認め、生検で悪性軟部腫瘍と診断され、高齢であり希望を考慮して辺縁切除術を行った。病理組織診断は、悪性線維性組織球腫であった。術後4ヵ月で再発を認めたため追加切除術+植皮を行ったが、術後2年11ヵ月に再々発し、再手術困難と判断して放射線治療を行い自宅で緩和治療を行うこととした。しかし、その後も腫瘍は増大して自潰・出血を繰り返し、貧血が進行し全身状態が悪化したため再入院となった。腫瘍は15×15cmに巨大化し、易出血性で感染を伴い腐敗臭を生じていた。腫瘍縮小と易出血性、腐敗臭改善を目的としてMohsペースト塗布を行った結果、腫瘍は硬化して縮小し、滲出液や出血は停止して全身状態は改善した。Mohsペースト塗布を週1度4回行い自宅退院となり、塗布開始後8ヵ月に腫瘍死したが、局所コントロールは良好であった。
©Nankodo Co., Ltd., 2011