発行日 2011年3月1日
Published Date 2011/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2011143739
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6歳女児。転倒して左肘を強打し、近医で上腕骨顆上骨折と診断され当科紹介となった。初診時X線で上腕骨顆上骨折を認めたが、側面像でも骨折型が屈曲型か伸展型かは困難であった。全身麻酔下で側臥位とし、手術台に取りつけた側方固定板に肘関節を乗せ前腕を下垂させ、X線透視装置を正しい正面像、側面像が撮影できるように手術台と平行に設置し、透視側面像により屈曲型であると診断した。軽度前方転位を認めたが、神経麻痺を合併していないことから、観血的整復固定術ではなく、上腕骨顆上骨折(伸展型)に用いるintrafocal背側整復ピンテクニックを応用した経皮ピンニングを行った。術後経過は良好で、術後10ヵ月のX線像では術直後のアライメントを保っており、内反肘は認めず、可動域の左右差もなく、神経障害も認めなかった。
©Nankodo Co., Ltd., 2011