発行日 2011年2月1日
Published Date 2011/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2011125723
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症例1:57歳女。ガラス片が右膝に刺さって受傷し、皮下にガラス片が触れるため約2ヵ月後に当科紹介受診した。単純X線で右脛骨近位前外側にガラス片を2~3個、大腿骨外顆関節面に1個認め、CTで大腿骨外顆部のガラス片は軟骨下骨に埋没していた。右膝関節部皮下および関節内へのガラス片迷入と診断し、ガラス片摘出手術を行った。術後3日に独歩退院し、痛みはなく、術後3年現在、膝の愁訴も認めていない。症例2:16歳男。右膝を床にぶつけ、痛みと腫脹を自覚したが自然治癒し、その後症状が再発したため当科紹介受診した。単純X線正面像で内・外側の関節裂隙の狭小化、側面像で脛骨近位端前方・後方、膝蓋靱帯部に異常陰影を認めた。MRIでは矢状断像で関節液貯留、X線像での遊離体存在部位にT1強調像で低信号、T2強調像で高信号と低信号が混在する像を認めた。滑膜性骨軟骨腫症または離断性骨軟骨炎を疑い手術を行い、大腿骨内・外顆関節面に溝状の軟骨損傷を認め、滑膜に隠れて異物が一つ存在した。異物を摘出したところ、5×3mm大のガラス片であった。術後患者に再確認したところ、受傷前に右膝をガラスで強打し、紹介医とは別の医院で露出したガラス片を摘出しており、X線は撮影しなかったとのことであった。痛み・腫脹は軽減したが、術後4ヵ月には屈曲100°と拘縮が起き、X線で関節裂隙の狭小化が進行していた。術後1年7ヵ月で歩行・階段昇降に支障ないが、正座・しゃがみ込みはできない状態である。
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