発行日 2010年3月1日
Published Date 2010/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2010155709
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10歳男。咽頭炎で近医外来通院中、斜頸、頸部痛、頸部運動制限が出現するも放置していた。その後症状が持続し、環軸関節回旋位固定の診断でハローベストを装着したが、整復不良のため当院紹介受診となった。初診時、頸部は左側屈20°、右回旋30°で固定され、側屈・回旋動作で疼痛があり、頸椎ROM制限を認めた。単純X線で環椎外側塊-軸椎歯突起間距離の左右差、および環軸関節の非対称を認め、CTでは軸射像でC2に対するC1の回旋変形(右回旋変形30°)を認め、矢状断像、3-D CTで左環軸関節は関節症性変化を認めた。頸部が体幹に対し正中位になるようにハローベストを装着したが整復不十分で、体幹に対し左回旋位となるように再装着した。しかし、それでも右回旋変形は残存し、過矯正位で再々装着を行ったところ右回旋位固定は解除され、C1がC2に対し左回旋10°となった。その後、整復位が持続されているのを確認して頸椎カラーへ変更し、経過中に神経症状・合併症はみられず、発症後1年の現在、再発なく、左環軸関節の関節症性変化は改善している。
©Nankodo Co., Ltd., 2010