特集 再発する皮膚病
臨床例
遺伝性血管性浮腫1型 同じ遺伝子変異を認めるものの高齢まで発症に至っていない家族を伴う例
李 和純
1
,
福永 淳
,
錦織 千佳子
,
吉岡 晶子
,
堀内 孝彦
1神戸大学 大学院医学研究科皮膚科
キーワード:
補体C1不活性化タンパク質
,
Tranexamic Acid
,
胃腸炎
,
急性腹症
,
血管性浮腫
,
鑑別診断
,
蕁麻疹
,
変異
,
エクソン
,
遺伝学的検査
,
遺伝性血管性浮腫I型II型
,
補体C1阻害タンパク質
Keyword:
Abdomen, Acute
,
Angioedema
,
Diagnosis, Differential
,
Complement C1 Inactivator Proteins
,
Exons
,
Gastroenteritis
,
Genetic Testing
,
Mutation
,
Urticaria
,
Tranexamic Acid
,
Complement C1 Inhibitor Protein
,
Hereditary Angioedema Types I and II
pp.873-876
発行日 2015年9月1日
Published Date 2015/9/1
DOI https://doi.org/10.24733/J01268.2016016685
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<症例のポイント>遺伝性血管性浮腫(以下、HAE)は血清中のC1-インヒビター(以下、C1-INH)の欠損によって生じる遺伝性疾患である。血管浮腫症状を呈したHAE患者の母親の遺伝子検査で患者と同じC1NH遺伝子の変異を認めたものの、母親は64歳まで無症状で経過していた。HAEの症状の発現の有無は、非発作時のC4、CH50、C1-INH活性の低下の程度により推察できる可能性がある。HAEは腹痛、下痢、嘔吐などの腹部症状が主訴になることがあり、急性胃腸炎や急性腹症と誤診されていることがあるため注意を要する。
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