発行日 2006年3月1日
Published Date 2006/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2006153653
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2002年1月~2003年12月の整形外科入院患者のうち術前,術後に下肢深部静脈血栓症(DVT)の発生頻度を調べる際,下肢の動脈も検査した244例(男104例,女140例,平均年齢68歳)を対象とし,整形外科疾患と下肢閉塞性動脈硬化症(ASO)の合併頻度について検討した.その結果,大腿型ASOの合併頻度は42~59歳,60~75歳,76歳以上の各群で比較したところ,年齢の増加と共に上昇した.性差はみられなかったが高度の閉塞と臨床症状を認めたのは男性が多く,軽度の閉塞と無症状例は女性が多かった.高度の閉塞所見を示した患者でも明白な臨床症状の訴えがない場合があることから,早期診断における血管検診と高齢者への啓蒙教育の重要性が示唆された.なお,大腿部ASO病変に対する確定診断には,血管超音波検査においてBモードとカラードプラ法の組み合わせが有用であった.さらに58歳女,68歳男の2症例について,大腿部ASO病変の合併例における診断の実際を呈示した
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