発行日 2005年1月1日
Published Date 2005/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2005140453
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47歳女.多関節痛を主訴とした.関節リウマチ(RA)の治療中に自己判断で非ステロイド性抗炎症薬を中止したところ,発熱と全身関節痛が出現し,両足趾感染症の疑いで切開されたが,白色液体の流出を認め,RA再燃が疑われた.入院時,両側膝関節,両手指関節,両母趾中足趾節関節は腫脹して可動域制限や屈曲拘縮がみられ,血液検査では炎症反応,軽度の肝機能異常,血清尿酸値高値を呈した.単純X線にて右母趾の軟部組織腫脹と中足骨,基節骨,末節骨の骨破壊像を認め,両膝関節穿刺で採取された関節液は白色で混濁し,偏光顕微鏡で強い負の複屈折性を示す針状結晶が多数みられた.以上より,痛風による関節炎と診断し,メロキシカム,プレドニゾロンで消炎を図った後,アロプリノールを投与したところ,CRP,血清尿酸値は低下し,全身の関節痛は著明に改善した.自験例では軽度の肝障害があり,RAとして加療されたために高尿酸血症が長期間放置され,全身の関節炎とurate milkをきたしたと考えられた
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