発行日 2004年11月1日
Published Date 2004/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2005064350
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1997年~2001年までに経験した15歳以下の骨折739例を対象とし,疫学的調査を行った.男女比は2.3:1,男子はスポーツ中の受傷が多く,骨折部位ごとに最多発年齢やその治療法に差がみられた.上腕骨顆上骨折は低年齢層に多発し,手術率は49.4%であったが,橈骨遠位端骨折と手指骨折はスポーツを主原因として年長児に多発し,徒手整復で良好な整復を保持できることの多い橈骨遠位端骨折の手術率は7.9%であった.受傷機転については転倒,転落の2種で約8割を占め,6歳以下ではベッド,椅子からの転落といった環境要因の割合が多く,保育園児以下の骨折は通年性にみられたが,幼稚園児以上では5月,10月に多発しており,生活環境の変化や学校行事の影響が窺われた.また,手術や入院の可能性の高い骨折の紹介率は外来診療可能な骨折のそれよりも高く,当地域では病診連携が適切に機能していると考えられた
©Nankodo Co., Ltd., 2004