発行日 2004年3月1日
Published Date 2004/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2004148684
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23歳女.右頬粘膜部のしこりを主訴とした.歯肉頬粘膜移行部に腫瘤を認め,近医にて切除術が施行された.病理組織学的には横紋筋肉腫胎児型との診断であった.インフォームド・コンセントするも化学療法の承諾が得られず,テガフール・ウラシル配合剤内服治療を行っていたが,徐々に腫瘍が増大,疼痛も出現し,開口不可能となった.MRIにて右上顎洞後壁を挟んで前後に,T1強調画像で低信号,T2強調画像で高信号,ガドリニウムにて強く造影される占拠性病変を認めた.ビンクリスチン,アドリアマイシン,イホスファミド,アクチノマイシンD(VAIA)による化学療法を3コース行い,画像上化学療法はpartial responseであった.その後,カルボプラチン,シスプラチンの動注を併用しながら放射線療法65Gy,VAIAを4コース行った.5ヵ月後,MRIにて上顎洞後壁に僅かな残存病変,もしくは,線維化を認めるのみとなった.外来にてシクロホスファミド内服を行い,現在,MRIでは上顎洞壁の肥厚は消失し,無病生存中である
©Nankodo Co., Ltd., 2004