発行日 2004年3月1日
Published Date 2004/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2004148683
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69歳男.腰痛,右大腿部痛を主訴とした.単純X線像にてTh11/Th12椎間の狭小化と終板の不正像がみられ,CTではTh1,Th2椎体前方に骨破壊がみられた.MRIではTh11/Th12椎間板はT1強調画像で低信号,T2強調画像で高信号を呈した.T2強調水平断像では右傍脊椎部に高信号の腫瘍と思われる像を認めた.検査所見では強い炎症反応を認めた.CTガイド下に腫瘍を穿刺,吸引し,培養にてCandida albicansが検出され,Candida性脊椎炎と確定診断し,抗真菌薬投与を開始した.その後症状は軽快,MRI上腫瘍はほぼ消失したが,突然両下肢の筋力低下が出現,歩行不能となり,又,両下肢の知覚低下と膀胱直腸障害も出現した.緊急手術にてTh11,Th12の椎弓切除とTh9~L2後方固定術を施行した.術中所見でTh11/Th12の黄色靱帯の肥厚を認め,硬膜は後方より圧迫され脊柱間狭窄を呈していた.術後経過は良好で,術後8ヵ月時,下肢筋力低下はなく正常歩行が可能で,X線像上もTh11/Th12は硬化して架橋形成がみられ,ほぼ骨癒合していた
©Nankodo Co., Ltd., 2004