発行日 2003年3月1日
Published Date 2003/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2003200429
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57歳男.腰背部痛,視力低下を主訴とした.2001年に食思不振,下痢が出現・持続して脱水の診断を受けた.その後も症状が持続して栄養状態不良,発熱,白血球増多を認め,経中心静脈高カロリー輸液(IVH)を施行し,抗菌薬を投与されたが改善傾向はなく,主訴が出現した.尿生化学検査で腎性腎不全の所見を認め,血液ガス分析で著明な代謝性アシドーシスを認めた.抗真菌薬投与により速やかに解熱して腎臓機能は改善した.尿培養でCandida albicans,IVHカテーテル先端培養でCandida parapsolosisが検出された.以上より腎カンジダ症と診断した.視力低下についてはカンジダ性眼内炎の所見であり,脊椎MRIではカンジダ性脊椎炎と診断された.長期のIVH施行と抗菌薬投与が全身性カンジダ症の原因と考えられた.加療を行ったがその後も椎体破壊が進行した
©Nankodo Co., Ltd., 2003