発行日 2004年2月1日
Published Date 2004/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2004128386
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31歳女.外科医であり,手術中に術者により誤って左第1指関背側をメスで刺され受傷した.縫合処置を受けたが,2ヵ月後に手背の静脈が拍動性に怒張した.希望により手術を施行し,術中所見では浅掌動脈弓の分岐部すぐ末梢が腫瘤状に膨隆していた.腫瘤直径は約8mmで,腫瘤は伴走静脈と強く癒着していた.静脈との癒着を剥離した後,腫瘤を切除した.病理組織所見では,内膜の線維性肥厚と中膜の断裂を認め,外傷性仮性動脈瘤の所見を呈したが,動静脈間の瘻孔の存在は確認されず,外傷性動脈瘤と診断された.術後2年現在,症状の再発はなく,経過良好である
©Nankodo Co., Ltd., 2004