発行日 2003年11月1日
Published Date 2003/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2004071673
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
53歳男.肘部管症候群の病因として,上腕骨滑車形成不全による症例について報告した.腰椎椎間板ヘルニアの術後に右小指内転障害,右第1背側骨間筋の筋萎縮を認めた.右環・小指に痺れと知覚障害を認め,Tinel徴候は両肘部管で陽性であった.Froment徴候は右で陽性であった.単純X線正面像では両側上腕骨内上顆と上腕骨滑車は形成不全であった.また尺骨神経叢の消失と内上顆にあたる部分での空洞形成,腕尺関節での骨棘形成を認めた.ビタミンB12を投与し経過をみたが症状は軽快せず,手術を施行した.術後,右環・小指の痺れは消失し,右小指内転障害も軽快した
©Nankodo Co., Ltd., 2003