発行日 2003年5月1日
Published Date 2003/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2003252309
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50歳女.右上腕腫瘤を主訴とした.病理組織所見により悪性神経鞘腫と診断され,これに対し,追加広範切除を施行した.上腕三頭筋遠位1/2欠損に対し,大腿筋膜張筋腱による再建を行った.術後機能は肘RPMが-5~130°,筋力がMMT5-と極めて良好であった.頸髄損傷後の上腕三頭筋麻痺に対する再建法であるMoberg原法に基づき,肘関節屈曲30°で固定を行った.近位部は上腕三頭筋腱と編み込み縫合を行い,遠位はスパイクワッシャー付き皮質骨スクリューで固定した.このような強固な固定を行ったことが,良好な機能が得られた要因と考えられた.この方法は,外傷による陳旧来の欠損を伴った上腕三頭筋断裂に対しても有用と考えられた
©Nankodo Co., Ltd., 2003