発行日 2003年5月1日
Published Date 2003/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2003252304
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
靱帯再建術を施行した陳旧性前距腓靱帯(ATFL)損傷例のMRI所見の特徴について調査し,手術所見と比較した.さらに,適応術式についても検討した.対象は,陳旧性足関節外側靱帯不全により再手術に至った19例19関節である.全例でATFLは信号強度の異常を呈していた.形態的には,肥厚例5例,菲薄例5例,消失例9例であった.肥厚例の手術所見は肥厚した瘢痕組織で,菲薄例,消失例はどれも菲薄化・弛緩した組織であり,MRI所見と手術所見はよく一致していた.よって,術前MRIで損傷ATFLの質的診断はある程度可能で,術式選択の参考となることが明らかになった.特に消失例においては,術前に移植腱を他の部位から採取する可能性が高いことを患者に説明しておくことができ,有用と考えられた.肥厚した損傷ATFLには前進術を,菲薄例,消失例には自家内側ハムストリングス腱または同種腱を用いて再建した
©Nankodo Co., Ltd., 2003