発行日 2001年6月1日
Published Date 2001/6/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2001270427
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73歳女.右膝関節痛を主訴とした.単純X線像にて関節の著しい変形を認め,大腿骨脛骨角(FTA),右関節可動域の制限,著しい外側不安定性がみられた.Kinematic stabilizer型人工膝関節全置換術(TKA)を施行した.術後2~4年のX線所見では,経時的なFTAの増大,脛骨コンポーネントの内反の増強を認めた.経過中,左膝関節痛に対し,Kinemax condylar型TKA(セメントレス)を施行した.術後7年のX線所見にて右脛骨コンポーネント内側のmetal trayの破損を認め,人工膝関節の再置換術を行った.手術所見では,右膝関節内に茶褐色の滑膜増生を認め,骨セメントや高密度ポリエチレン(HDP)の破片が散在した.脛骨コンポーネントの内側前方部分でHDPの摩耗が著しく,metal trayはステム内外側の厚みが薄い部分で破断していた.術後FTAの改善,内外側の安定が得られた
©Nankodo Co., Ltd., 2001