急性腹症に対する低侵襲アプローチ-適応と手技
緊急手術としての低侵襲アプローチ 急性腹症への応用pros&cons
柴田 智隆
1
,
河野 洋平
,
平塚 孝宏
,
赤木 智徳
,
猪股 雅史
1大分大学 消化器・小児外科
キーワード:
急性腹症
,
腹腔鏡法
,
緊急手術
Keyword:
Abdomen, Acute
,
Laparoscopy
pp.801-804
発行日 2017年9月1日
Published Date 2017/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2017342223
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腹腔鏡手術はこの25年間に低侵襲性手術としてめざましい普及を遂げ,急性腹症をはじめとした緊急手術においてもその実施件数が増加してきた.腹腔鏡手術は診断面において,原因不明の急性腹症をはじめ軽度な侵襲で開腹手術と同等以上の情報が得られるメリットがあり,治療面では,急性胆嚢炎や胃十二指腸潰瘍穿孔,急性虫垂炎などの疾患で開腹手術以上の良好な治療成績が報告されている.一方,予定手術に比べ術前検査や病態評価の時間的制約がある緊急手術においては,腹腔鏡手術の適応はより慎重に行うべきであり,術中の開腹移行のタイミングも逸することなく判断するべきである.バイタルサイン,身体所見,病態に基づき腹腔鏡手術の適応を適切に判断し,診断および治療面における低侵襲アプローチの有用性を最大限に発揮させることが重要である
©Nankodo Co., Ltd., 2017