最新肛門疾患の診断と治療
痔核・裂肛・痔瘻の治療 硫酸アルミニウムカリウム・タンニン酸注射液(ALTA)による内痔核硬化療法
松田 好雄
1
,
町田 智幸
,
大高 京子
,
松田 大助
1荒川外科肛門科医院
キーワード:
Alum Compounds
,
Tannins
,
大腸内視鏡法
,
硬化療法
,
痔核
,
治療成績
,
直腸潰瘍
,
Aluminum Potassium Sulfate Hydrate-Tannic Acid
,
Aluminum Sulfate
Keyword:
Alum Compounds
,
Colonoscopy
,
Hemorrhoids
,
Tannins
,
Treatment Outcome
,
Sclerotherapy
,
Aluminum Sulfate
,
OC-108
pp.1001-1007
発行日 2007年9月1日
Published Date 2007/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2007342042
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内痔核硬化療法薬である硫酸アルミニウム・タンニン酸注射液(ALTA)[ジオン注、三菱ウェルファーマ]は内痔核に直接注射する4段階注射法により、内痔核の出血や脱出の症状を消退させる。本法は非手術的治療であり、Goligher II度および一部III度の内痔核に対し、保存的治療の短縮・根治を目的とし、外来処置として施行できる。より重篤なGoligher III度および一部IV度の内痔核に対しては、入院治療にて本法を施行するが、結紮切除術に比べ再発率は高く、特異的な合併症である直腸潰瘍がまれにみられる。しかし、術後疼痛や偶発症が少なくQOLの点で優れている。また、結紮切除術に本法を付加することにより手術侵襲を軽減し、術後肛門狭窄などの合併症を予防できる。この新しい治療法については、正規の手技に習熟すること、また長期遠隔成績な厳重な観察が必要とされる。
©Nankodo Co., Ltd., 2007