発行日 2011年6月1日
Published Date 2011/6/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2011288536
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3主痔核に手術治療を要した内痔核例829例を対象に、結紮切除術(LE)にaluminum potassium sulfate and tannic acid(ALTA)療法を併用し、その有用性について検討した。術式別にALTA単独治療340例をA群、LEとALTAの併用治療469例をB群、LE単独治療20例をC群とした。術後の平均入院期間はA群3.5日、B群8.9日、C群12.7日であった。術後疼痛に対し、翌日以降に鎮痛薬を要したのはA群9.4%、B群77.4%、C群95%とB、C群がいずれも高頻度の使用であったが、平均使用日数はB群3.6日、C群10.3日とC群で長期間であった。症例に対する治療術式はLEの施行される場合が多く、B群ではLEの施行部位が1ヶ所であった症例が圧倒的に多かった。退院後の経過はA群、B群に3例ずつ再発例を認め、C群は認めなかった。尚、術後出血についてはA群、B群で止血術を要し、C群では出血は認められなかった。また、合併症については直腸潰瘍をA群、B群でみられたが、保存的治療にて治癒した。
©Nankodo Co., Ltd., 2011